GARDEN

あたたかくもどこか懐かしさに彩られた庭園。太古の昔から自然や伝説、神話と共に生きたケルトな雰囲気漂う、愛に満ちたアルバムの完成!

2013/01/23発売


プロデューサー 古澤巌より
「透き通る様な、大自然の神秘」
クリスタルの様に透明なビ世界を醸し出す、平沼有梨。
ある時はおとぎ話の様に、またある時は、儚いオーロラの様にスコアを紡いでゆく。
平沼有梨の魔法にかかれば、どんな生き物も、きっと和んでゆくことだろう。
今まで待ち焦がれていた、母なる大自然の神秘を奏でてくれる奏者が、遂に誕生。


ライナーノーツ
アイルランド音楽の要素をふんだんに取り入れている平沼有梨のアルバム『GARDEN』は、オリジナル楽曲の『空と大地のうた』から始まる。アイルランド人のルーツは、紀元前のヨーロッパで繁栄したケルト族。後にローマ軍の侵攻を受けて、辺境の地に逃れるなど悲運に見舞われた。その歴史があるからだろうか、ホイッスルやヴァイオリンのバックで力強いパーカッションのリズムが鳴り続ける『空と大地のうた』を聴くうちに、小舟で島を目指して、大海に漕ぎだした古代の人々のたくましき姿が浮かんでくる。こういう美しき生命力をたたえた音楽に出会うと、歴史のロマンと音楽のイマジネーションが持つパワーというものを感じずにはいられない。平沼有梨は、4歳から音楽を始めた。現在コンポーザー、キーボーディストとして活躍しているが、作曲のおもしろみに目覚めたのは幼い頃。楽譜どおりに課題曲を弾くことよりも、鍵盤と戯れながら、自分の世界を紡いでいくことに夢中になった。これまでにTV番組やCM、ゲームなどに楽曲を数多く提供してきており、アルバムも定期的に発表しているので、彼女の作品を好きで聴いてこられた方も多いだろう。イマジネイティヴな魅力に加えて、とても透明感に満ちた音楽で、ひとつひとつの音が素直に心に響く。新作『GARDEN』は、ヴァイオリニストの古澤巌がプロデュースして、彼女が率いるバンド、エキセントリック・アイリッシュ・オーケストラがレコーディングに参加している。5曲のオリジナル以外は、カヴァーになるが、親近感を覚える選曲になっている。③『サリー・ガーデン』は、世界中で愛されているアイルランドの伝統歌。ホイッスルとイーリアン・パイプが奏でる牧歌的なメロディーが郷愁を誘う。④『空と夜明けと太陽』は、アイルランドの女性ヴォーカル・グループ、ケルティック・ウーマンの曲。ドラマティックな展開の中でフィドルやパーカッション、ホイッスルなどの伝統楽器がエネルギッシュな演奏を繰り広げる。⑥『涙の流れるままに』は、ヘンデル作曲のオペラ『リナルド』の第3幕で歌われる美しきアリア『私を泣かせてください』。⑦『Nella Fantasia』は、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネが映画『ミッション』に提供した曲のひとつ。メロディーを愛おしそうに弾くピアノから幸せなオーラが溢れでてくる。⑧『Riverdance』は、90年代に大ブームとなった舞台『リバーダンス』からの曲。合唱のパートを荘厳な協会のパイプオルガン風の演奏に変えているアレンジが印象的だ。歌詞ではなく、メロディーと楽器の音色で紡ぐ平沼有梨の物語は、時空を超えた旅へと誘ってくれる。

2012年12月 服部のり子